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BOSS BLOG ~製革行程編~

今日は、イタリアで学んできた製革行程を簡単にご紹介いたしましょう。
革鞣しのお勉強みたいなものですね。
堅苦しいので、今回は興味の有る人だけ読んでいただければと思います。

製革各工程の中に楽な行程は一つもありませんが、私が一番苦手としていたのは、最初の行程で原皮倉庫から原皮を運び出し、原皮に付着している汚物を取り除く水洗い作業です。
この際の異臭は魚港の一番臭い時期の100倍生臭く、1分1秒もその場に居たくない状況の中、慣れるのに2週間はかかりました。

それでは、お勉強会の始まり始まり。

革の製造工程は、「準備工程」「鞣し工程」「染色 加脂行程」「加工 仕上行程」に分けられますが、その中で鞣しの工程は、鞣し剤でコラーゲン繊維、組織を固定・安定化し、 革としての基本的性質を付与する作業といえます。
その工程の違いによって革を分類する方法が鞣しによる分類ですが、代表的なものにクロム鞣し革、植物タンニン鞣し革、特殊なものとして油鞣し革などがあります。
今回は、消費されている全皮革の7〜8割は占めているクロム鞣し革について、各工程ごとに触りだけお聞かせいたしましょう。

[ 準備工程 ]
原料皮を水戻しして(水漬け、水戻し行程)、石灰脱毛(脱毛工程)、再石灰漬けした後2枚に分割する。
毛があった側を銀付き皮、肉面側を床皮という。

[ 鞣し工程 ]
食塩と硫酸・ギ酸等でピックルし(浸酸工程)、塩基性硫酸クロムでクロム鞣しを行なう(鞣し行程)。
クロム鞣しに用いる一般的なクロム塩は、塩基性硫酸クロム [Cr(OH)2SO4Cr]+2 の状態で溶液は青緑色を呈している。
これらの組成はpH、 濃度、温度、中性塩の有無、酸および塩などの添加物によっても変化する。
クロム化合物が皮タンパクを構成するコラーゲンの反応基(主にカルボキシル基)と架橋結合して皮の繊維構造を安定化する。
鞣し終わった革はクロム塩によって青色を呈しているため、「青」「ブルー」「ウエットブルー」という名称で呼ばれる。
クロム革の耐熱性はほぼ110°C付近である。
鞣しの段階でアルミニウム塩を使用すればアルミニウム鞣し革、ホルムアルデヒドを使用すればホルマリン鞣し革となる。
すなわち使用する鞣し剤の種類により、名称が異なってくる。

[ 染色 加脂行程 ]
次ぎに水絞り、厚み調整のためシェービングされ、重量測定後、水洗、 重炭酸ナトリウム等で中和、様々な再鞣剤で再鞣、染色・柔軟性を付与するための加脂を行なう。
また、中和前に再鞣しを行なう場合もある。

[ 加工 仕上行程 ]
染色後、再びセッターで革を伸ばしながら水分を飛ばし、さらにハンドセッターを使った手作業による伸ばしを行い、「バイブレーション」工程で革の柔軟性を与えます。
さらに革の種類によって必要に応じて塗装が施され、さらに「型押し」やアイロンによる艶出しなどが行われます。
December 29, 2011

EDITER

EDITER
レザーマイスター/岡田敬二
PROFILE
創業者、岡田敬二は、国内でレザーウェアのブランドを立ち上げたのち、レザーの可能性に魅せられ、イタリアへ渡ることを決意します。世界と互角、いやそれ以上に評価される仕事をしたい。そんな思いが、岡田を動かし、職人として全くのゼロからキャリアを始める決意をさせました。
イタリアで岡田はトリノ近くのカステラモンテ、およびナポリから60kmほどの場所にあるソロフラというレザーファクトリーで研鑽を積みます。2つとも、ヨーロッパのブランドと取引のある有名ファクトリーであり、岡田はそこで革の扱い方から見極め方まで、あらゆることを身に付けました。さらに、スペインからギリシャ、トルコ、また中国、韓国、インド、パキスタンまで、世界中を回って、幅広い知識を得るとともに、各国の皮革業者とネットワークを結び、良質な革の供給先を確保しています。
帰国後、岡田の提供するレザーは、好評をもって迎えられました。取引先の多くは日本を代表するドメスティックブランドであり、当然、レザーへの要求もハイレベルなものでしたが、そうしたニーズに確実に答えることで業績を積み上げてきました。
アカンサスはそんな岡田敬二が満を持して発表する、オリジナルブランドです。