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初めてレザーを作っているファクトリーに足を踏み入れた時の話ですが、
案内されたタンナーは、世界的にもかなり有名なファクトリー(実名は控えさせて頂きます)で、フェラーリのレザーシート皮革を主に生産しておりました。
これは後から知った事ですが、本来タンナーは工場を見せたがらず、その理由は工場内は企業秘密だらけだからです。
何処の国の何というメーカーのマシーン(主にドラム/太鼓)を使用し、ケミカルは何を使用しているかが、他に知られてしまうからなのです。
よって来客の際は、ケミカルの空き缶すらすぐに隠すまでの徹底ぶりなのです。
ですが、私がお邪魔した際には、隠すどころか自慢げに、
「家の太鼓とケミカルはドイツの何処何処の何々という物を使用していて、フェラーリの偉いさんがわざわざ視察しに来て、感激して帰って行った・・・」
などの自慢し始める次第で・・・。
そんな調子で、どうやらジャパンから来た革好きの青年オカダは、このタンナーの主に気に入られたみたいで、何とそこに1ヶ月近く滞在するはめになってしまいました。
部屋はその当時海外に行っていた息子さんの部屋を開放して頂き、食事は奥さんが作って頂ける本当に美味しい手料理を頂きました。
今思うに、まず作っているレザーを褒めた事、
「こんなに素晴らしい革がどのようにできるのか?」と質問した事、
「時間はあるのか?」という質問に「気ままな一人旅なので、時間はじっくりある」と言ってしまった事が、このような結果を招いてしまい、半分後悔、半分ラッキーな気分でした。
なので今でもお客様から「フェラーリのシートの皮革でライダースを作ってくれ」とご注文頂ければ、私にだけはレザーを分けてくれると思います。
次回は1ヶ月間の修行話をお聞かせ致しましょう。
この続きはまた今度。
それでは、「御機嫌よう」